三茶ファーム代表・千田弘和さんインタビュー〜三茶で出逢えるおいしい野菜〜

6月28日(日)お変わり地獄に使用する野菜は『三茶ファーム』。

代表の千田弘和さんにインタビューしてきました。


三軒茶屋に有機野菜を販売しているなんて聞いた事がなかった!

三軒茶屋に有機野菜?!

「オシャレな事しているな。今時のか〜」って勝手に思っていたら、

僕が甘かった(笑)。


これからの時代に、大切な事をお話していただきました。


●人は食べていけることが土台にないと、夢は語れない。だから農業を仕事にした

元々は、10年間日立でSEをやっていました。

5年前に辞めて独立したんですけど。

これ一つが理由というのはなくて、色んなものが背景にあります。


高校まで青森で生活をしていて、

青森には自然があり、食がおいしいんですよね。

しかもそれが、身近にある。

食の大事さが自分の中のベースにあったんですよね。

でも、前職の周りのみんなの食が適当だったので、

青森の田舎で育っていた僕とみんなにはギャップがありました。

前提として、まず食にかんする関心は人一倍あったわけです。


もう一つは、皆さん、感じているとは思いますが、

田舎って仕事がなくて、元気はあるじゃないですか。

東京は仕事があって、忙しそうにして疲弊している。

すごい、アンバランスを感じているんですよ。

なので、地方と都会が、

お互いにいいバランスになるようにしたいと思っていました。


その手段として、地域活性に興味があったので農業はどうかなと思いました。

食は生きる事の基本ですし、

食を中心として経済が回って行ったら健全だよなって。

食を作るのは田舎じゃないですか。

という思いで独立して、田舎で地域活性をやりたいなって。


また僕は、フィリピンとカンボジアの孤児院支援をしているんですけど、

その経験は大きな動機になっています。

支援してもう10年くらいになりますかね。

カンボジアにいくと、内戦のあとがまだ残っているんですよ。

食に困っている子ども達が普通に近くにいる。


そういう現状を見ていると、

人間って、「まずは生きる事が大切だよな」って考えさせられたんです。

人間にはステップがあると思っていて、

まずは日常的に食べることができること。そして、夢を語る。

生きられないとポジティブな考えに絶対にならないって思ったんです。

日本って子供に「夢は何?」って聞くけど、

カンボジアでは夢って言われてもピンとこない子が多いんですよ。

明日生きる事が必死だから。

生きる事で食が人間のベースにあるというのはすごい痛感しました。

食で何か出来ないかと思ってそれがきっかけですね。


●廃業寸前まで追い詰められた、激動の2011年

農業は0からのスタートですよね。

まずは、野菜を覚えようという事で、

知り合いの畑を借りて野菜作り始めました。

当時は野菜を作って、収穫祭したりしましたね。

そうやっているうちに生産者の人と繋がりができ始めたんですよね。

たまたま繋がった生産者が

「今度自分でつくった野菜を販売するんだけど、一緒にやる?」

と言われ「やります!」と即答しました。


2つの農家さんと三茶ファームと3人の共同で、

駒込で一店舗をやり始めました。日替わり八百屋でした。

でも、2011年に大震災が起きましたよね。

丁度ぼちぼちお店を気に入ってくれるお客さんが出てきた直後だったんですよね。

そこそこいけるかもと思った直後でした。


本当にその時はまったく野菜が売れなくなった。

放射能問題が起きて、駒込の店はこだわっているお客さんが来ていたのに、

逆にそういうお客さんだからこそ来なくなって。

あのころはどこに行っても、暗い話を聞いて、病みましたね。


しかもうちは、東日本側の農家さんが多かった。

お客さんからは、「西(日本)の野菜ないの?」って言われるんです。

でも、自分らが繋がっているのは、東(日本)の農家さんだったんで、

この繋がりを断つと、東の農家さんはどうするの?って思って。


色々調べたんですけど、自分たちが扱ってる野菜は問題ないってわかったんですね。

だから、ひたすら真面目に野菜を売り続けるしかないなって。

それからは、売る場所を色々増やしました。

マルシェにも出ましたし。毎日野菜を売って、

なんとかしのぎました。

そういうことをちゃんと続けていたら、お客さんも戻ってきてくれました。


その後色々あって、お店がうちだけになったんですよね。

場所は駒込もよかったんですけど、

ずっと三茶でやりたいなって思っていました。

そんな時たまたま、いい物件が見つけたんですよ。

それが、商店街が借りている今の物件なんです。

●「三茶ファーム」誕生。お金以外の価値で繋がる


三茶ファーム設立には、多くの人が手伝ってくれました。


以前僕は、

自分自身の生き方・働き方を発見する学校「スクーリングパッド」

の運営を手伝っていました。

三茶ファームを作る時に、計画を受講生にお話をしたら、

おもしろがってみんな手伝ってくれました。

例えば、ロゴは受講生の人が制作してくれました。

壁も塗りも大工を紹介してくれたり、作業も受講生が手伝ってくれました。

農業ってここがすごい魅力なんですが、

「お金以外の価値で繋がる」んです。

「なんかおもしろいね!」で繋がるんですよね。

三茶ファームは、おかげさまで、

あまりお金をかけることなくオープンしました。


●「直接話す」ことが、農家さんと消費者を幸せに


三軒茶屋にはスーパーはありますが、競合だとは思っていません。

三茶の「やっぱり食べるならいいものを」食べたい人は

三茶ファームで購入します。

僕たちが一番大事にしているのは、「お客様と喋ること」。

野菜のおいしさは前提。

お客さんと直接話して野菜のことを紹介しながら売るのが、

三茶ファームの一番の価値だと思います。


例えば、美味しい物があるけど、

見た目がよくない、使用用途がわかんない野菜がありますよね。

曲がったキュウリでも、にんじんでも一言説明すれば、

お客さんは購入してくれるんですね。

きゅうりひとつでもめちゃくちゃ品種がありますし、食べ方もあります。

昔の人は、今日何を購入するか考えないで、

八百屋や肉屋や魚屋に行っていたんですね。

「オススメは何?」「今日はこれがおすすめ!これをこうして食べると抜群!」など、

店の人と話して、食材から作るものを決めていたんですね。

今は違うじゃないですか。

大体の人が買い物する前からメニューを決めて、購入をする。

買い物の仕方が違うんですよね。

それもいいけど、僕はやっぱりおもしろくないと思う。

スタッフとコミュニケーションをとって野菜を購入して、

献立を決めた方が、「出会い」があるんです。

●たとえ農業であってもちゃんとマーケティングを


あと、これは「直接話す」ならではなのですが、

栽培計画の時から農家さんと一緒に、

どういう野菜をつくるかを話すこともありますね。

お客さんの直接の声から、農家さんへその声を伝える。

逆もしかりです。

そうやって、民間企業から離がちな農業であっても、

ちゃんとマーケティングをして、お客さんに喜ばれる野菜を届けています。


お客さんの声で変わることの一例をあげると、

野菜のパッキングの大きさがあります。

田舎の方では大根はまるまる1本で売っているじゃないですか。

都心ではそれでは売れないんですよね。

使い切れないので、少量が喜ばれる。キャベツも半分だし大根も半分。

葉っぱ系も少なめにしてもらう。

都心では当たり前のことでも、

農家さんにいうと、「へぇ〜」っと言われるほど、意識の違いがある。


あとは、農家さんが「売れない」と思っている傷物の野菜や、

形が変形しているものは、僕らがお客さんに伝えれば、

ちゃんと買ってくれるんですよね。

「こういう理由で入荷しているものです。こう処理して食べてください。」

と言うと、お客さんは購入する。

そういう野菜はスーパーだと買わないですよね。

お客さんと「直接話している」から購入するんです。

「三茶ファーム」は管理栄養士のスタッフがいて、

野菜をつかったメニューも紹介しています。

これはクックパッドでも専門のページがあります。


また、農家さんにもお客さんの意見を素直に伝えますね。

おいしくないという評価も素直に伝える。

それは、生産者は市場に出していたら絶対に聞けないから貴重なのです。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ごはんとおともから〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

東京八百屋の会という、三茶ファームを入れて3店舗で取り組んでいる活動について、

書いています。その記事はコチラ

消費者のことをしらないで、商品を販売すると、

えらいこちゃ!になるんですよ。これめちゃくちゃ、バズリましたよね(笑)

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●三茶の「話せる」八百屋のモデルケースになる


これからは三茶ファームのように、

「お客様と直接話をする対面販売」の八百屋が

増えてほしいなと考えていますね。

でもどこかが成功しないと増えてはいかないので、

うちがある程度成功してモデルケースではないけど、

「こういうのもありだよね」と言える様なスタイルを作りたいですね。

どの野菜を買うか悩んだ時には、

「こうすればいいよ!」ってアドバイスが出来る様にしたい!

(いろんな農家さんが作った野菜が並んで見るだけでもたのしいです)


もちろん美味しさも大事なのですが、

美味しさプラス、「食を楽しむ」所に価値を置いているんです。

有機野菜が一番おいしい!とよりも、自然栽培が正義!とかよりもですね。

「三茶ファーム」に来ると、

おいしい野菜があって、野菜のことを話せるスタッフがいる、

そういうことがうちの価値だと思います。


あと、三茶ファームの野菜はなるべく高くしていません。

普通の有機野菜より安い。けどスーパーよりはちょっと高い。

それには想いがあります。

「普段使い」してほしい!毎日の食卓に並べてほしい!

そうすることで、日々の食卓から生活が豊かになってほしいと思っています。

<あとがき>

こだわりの産直野菜はもちろんのこと、

お店には野菜のことを説明してくれるスタッフがいますので、

会話をしてその日の野菜を食卓に並べてみてはいかがですか?!

おいしい調理の仕方を教えてくれますよー!

クックパッドにメニューもありますので、みてくださいね♩

三茶ファームホームページ

クックパッドメニューページ


千田さんのインタビューいかがでしたでしょうか。

三茶ファームの価値、これが現代では、一番大事なのかもしれません。。

インタビュー見たら、三茶ファームの野菜を食べたくなりますよね?!

・・・明日ですよ!

みなさん!!

おいしい三茶ファームの野菜を食べましょう。

寺本シェフがおいしいおばんざいにしてくれます。

食べてみないとわからないですよ。この美味しさは。

明日「三茶おかわり地獄」に、ぜひいらしてください!

当日さんかもオーケーですよ!

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